![]() |
●レスリー・チャン映画 知られざる52の秘密 花絮篇(こぼれ話篇) その25、《鼓手(愛しのドラマー)》は全く代役なし。名伯楽・フローレンス・チャンに出会う 楊権監督の青春映画《鼓手》では、レスリーは他人の手を映して撮影するのが嫌で、またカメラワークで偽を真に見せるのも望まず、監督にドラムを習う時間をくれるよう頼んだ。そして映画の撮影では全て自分で演じ、全く代役を使っていない。 全く偶然の縁で、撮影中に監督と親しかったフローレンス・チャン(陳淑芬)がレスリーを見出し、監督に紹介してくれるよう言った。その後、彼女はレスリーのマネージャーになった。2人は息の合った中でアルバム《風繼續吹》を発表し、レスリーは楽壇で成功を収めた。またこの時期、レスリーは当時のマネージャーに不満だった。一度は弁護士からマネージャーに手紙を送らせ、“3年で芸能界から徐々に引退する計画”と書いた事もあった。ちょうどこの時フローレンス・チャンに出会い、仕事上のこと一切を任せるようになった・・・ 6、レスリーが有名になり、マギー・チャンの役が改名される 《縁份(君が好きだから)》はレスリーがショウ・ブラザーズで撮った最後の作品である。当時レスリーは《Monica》で香港を席巻しており、映画会社もこの“意外”のおこぼれに是非とも預かろうと考えた。そこで作品中“Dion”と呼ばれていたマギー・チャンを“Monica”にした。 ショウ・ブラザーズの作品では、編集時にアフレコもしていた。“Dion”は2音だが“Monica”は3音だ。アフレコでは、レスリーは必死に速く言って口型を合わせた。 7、《男たちの挽歌》ジョン・ウーは兄弟関係を重視して、ベッド・シーンを削る レスリーは《男たちの挽歌》以前にも、《烈火青春》《失業生》などでベッド・シーンをカットされ、脱いだ犠牲も無駄にされていた。ジョン・ウーにいたっては、レスリーとエミリー・チュウ(朱寶意)のベッド・シーンを撮りながら、結局兄弟の情義が中心で男女の愛は二の次だと、上映前に削除してしまった。 割を食ったのはレスリーだけでなく、マークことチョウ・ユンファと薛芷倫の恋も、あっさりと削られた。 8、《阿飛正傳(欲望の翼)》、《春光乍洩(ブエノスアイレス)》のタイトルの由来 《今すぐ抱きしめたい》のあと、ウォン・カーワイは《愛在1966》という作品を撮影予定だった。これが《阿飛正傳》の前身となった。内容は1966年香港暴動の時期のラブ・ストーリーだ。結局作品にはならず、新たな着想を得たのが、同様に50-60年代の物語である《阿飛正傳》だ。 ウォン・カーワイはこう言っている。ジェームス・ディーンの《阿飛正傳(理由なき反抗)》と聞くと、50-60年代が思い浮かぶ。そして自分が撮りたい映画もその時代で、ちょうど良いから、この名前にしたと。もちろん、内容はまったく別だ。 ウォン・カーワイはミケランジェロ・アントニオーニの《Blow Up》が好きだが、この作品名は香港で《春光乍洩》と訳されている。そこでこの名前を冠した作品を撮影する機会を、ずっと探していた。そして英文名は“Happy Together”で同名の曲から来ている。97年以降も「中国と香港が楽しくやっていけますように」という希望を込めたそうだ。 香港人として映画を撮影する上で、どうしても“香港返還”が影響するようで、《春光乍洩》で「中国と香港が楽しくやっていけますように」と願った他にも、《2046》は、“50年間香港の政策は不変”の、期限の年だ。 9、歌の大ヒットで、映画の題名を変更 《為你鍾情(君の瞳に恋してる)》は本来《求愛敢死隊》と題する予定だった。しかしレスリーの歌《為你鍾情》の大ヒットを見て、シネマシティ(新藝城)は映画の題名も《為你鍾情》に変えた。しかしこのタイトルはすでに別の会社に登録されている事が分かり、シネマシティは《張國榮為你鍾情》とした。しかし撮影後、その会社がまたタイトルを変更し、シネマシティは急いで《為你鍾情》に戻した。またこの作品には《為你鍾情》《不羈的風》《第一次》《Monica》等、レスリーの名曲が使われている また“為你鍾情”は1996年にレスリーのカフェの名前にもなった。しかし余りにも気前が良く、パートナーにも不満があり、友だちを失いたくないからとレスリーは手を引き、カフェもその後売却された。1996年エリック・ツァンのUFOが《金枝玉葉2》にロケ地を探していると、レスリーはカフェを撮影に貸した。また同じくUFOの《完全結婚手冊》で新婚を撮影した店も“為你鍾情”と言い、この名前は3度出現したことになる。 |
← Back | Next → |