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●レスリー・チャン映画 知られざる52の秘密 八卦篇-レスリーを余り知らないあなたへ 彼は香港映画に多大な貢献をした- 1、ジョイ・ウォン(王祖賢)自分を毛遂にアピールするが、ふっくらしすぎて断られる 《覇王別姫》の成功でチェン・カイコー(陳凱歌)はレスリーを深く信頼するようになり、2人が《風月(花の影)》で合作するきっかけとなった。 主演男優の決定後、主演女優選びが始まった。この時カリーナ・ラウ(劉嘉玲)も出演に意欲的だったが、年齢が行き過ぎており、作品中の主人公と合わないと断られた。 《風月》の主演女優は、初めはトムソン(湯臣公司)の社長徐楓が推す新人・王靜瑩になり、撮影も始まった。しかしすぐにチェン・カイコーは違う、王靜瑩では合わないと気付き、主演女優を変えるように言った。 その結果チェン・カイコーの現在の妻・陳紅になった。しかしこの公私混同?は長くは続かず、監督はまた後悔し、より公平にという事で、再度主演女優を変えるよう言った。この時レスリーはマギー・チャン(張曼玉)を推薦した。2人の《欲望の翼》での演技がすばらしかったにしろ、チェン監督の理想の人選ではなく、こちらも選ばれなかった。 またレスリーと共演した《チャイニーズ・ゴーストストーリー》で有名になったジョイ・ウォンはこの話を聞いて、果敢に自分を推薦した。しかし残念ながら、この当時この美人はふっくらしすぎており、カメラテストを通らなかった。ジョイ・ウォンは《風月》には出演できなかったが、その後トムソンと契約し、現在までに《美麗上海》を撮影している。美人のジョイ・ウォンだが太りやすいようで、パパラッチに太った姿を撮られ、一度は映画の撮影が中止となっている。 レスリーと女優たちは疲れるほど、何度もカメラテストをさせられた。そしてチェン監督の本命が、レスリーと《覇王別姫》で共演したコン・リー(鞏俐)であると知った。(すでにチェン・カイコーはコン・リーとカリーナ・ラウが同じ年齢という事は忘れている。)この時コン・リーは付き合っていたチャン・イーモウ(張芸謀)の《揺呀揺、揺到外婆橋(上海ルージュ)》に出演しており、チェン・カイコーの作品には出られなかった。そこでチェン監督は《風月》の撮影を休止し、コン・リーに時間が出来てから撮り始めた。 何度も女優を変えた事でトムソンの損失は大きく、更に《風月》もぱっとせず、徐楓はそれ以降、チェン監督と仕事をしていない。契約ではチェン監督はまだ数作撮る筈なのだが・・・。 2、 スタントマンの嫌がらせにあい、レスリーは劉家良を義理の父とする 《楊過與小龍女》はレスリーの初めての武侠作品であり、武術の演技はレスリーも主演女優の翁静晶も、全く経験がなかった。そのため拳闘の場面は2人にはとても辛い物だった。当時2人は少し名が知られていたが、ベテランの荒っぽいスタントマンたちはそんなことを気にも留めなかった。2人はしょっちゅう怒鳴られ、“ワイヤー吊り”で軽功のシーンを撮る際には、飛び回った結果石柱にぶつかって怪我をした。レスリーは頭を切ったが、翁静晶は後に、「これはスタントたちがワイヤーに小細工をして、わざと私とレスリーをいじめたと思う」と書いている。 レスリーと翁静晶は腹が立ったが、恐ろしくとても言い出せなかった。そんな事をして、また報復されたら更に悲惨な目に遭う。しかしこのままではいけない。そこでひらめき、賢明にもラウ・カーリョン(劉家良)に救いを求めた。当時香港映画のスタントたちは、ほとんどが劉家良と唐佳この“劉唐”兄弟の管轄下にあった。そして《少林三十六房》《武館》などカンフーの名作とされる作品を撮っており、その地位も抜きん出ていた。彼が出てくれば、事情は自然と変わるだろう。 事情を知って劉家良は現場に来て、救いの手を差し伸べてくれた。レスリーはあっさりと劉を“契爺=義父”とし、翁静晶は劉のガールフレンドを装った。この後、2人は安心して過ごせた・・・。 そして思いも寄らなかった事がある。1年後(1984年)僅か20歳の翁静晶は偽を現実とし、彼女より30歳年上で、妻子もある劉家良に嫁ぐと宣言した。あっという間に、レスリーが笑って呼ぶ“契媽=義母”となったのだ。 翁静晶はこう言っている。「自分の前世はカナリアで、鉄将・劉家良に飼われていた。二人がこの世で恋に落ちたのは、前世からの因縁だろう。」劉家良は1990年に正式に離婚し、翁静晶は2人の娘を産んだ。そして2001年には尋常ならざる不倫発覚事件(註)が起こった。 3、《胭脂扣(ルージュ)》にてアニタ・ムイが道士に切り裂かれそうになる 《烈火青春》では監督のパトリック・タムが追われ、唐基明が引き継いた。しかし《ルージュ》では唐基明が撮影予定だったが、スタンリー・クワン(關錦鵬)に変わった。 またこの作品も同様に、もう少しで“補足撮影”の運命をたどるところだった。映画の完成後、ゴールデン・ハーベストの社長の一人でアニタ・ムイの契爺のレナード・ホー(何冠昌)が、自分が求めるのはこれではないと言って、400万ドルを用意し、改編しようとしたのだ。 スタンリー・クワンが何気なく受取った新脚本では、手相見を幽霊狩り道士とし、アニタ・ムイは八つ裂きにされるが、その後、朱宝意という人を救う中で、また復活を遂げる。結局道士はアニタに同情し、この世で十二少(レスリー)を待つ事を許すというものだった。 内容が180度変わっている。 |
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