1998年紅色戀人Dr.Payne役Todd Babcockからの手紙 -part3-![]() 一旦撮影が始まるや否や次々と色々なシーンを撮って行った。 レスリーは数多くの映画出演の経験があり、真のプロフェショルだった。カメラがセットされ撮影の準備が整った時、何 を自分がすべきなのか、どこを見たらいいのか、的をどこにしぼったら効果的なのかを全て把握していた。同時に、カメ ラがオフの時に、どうくつろいだらいいのか、楽しんだらいいのかも知っていた。 それはレスリーとの撮影日の中でも一番満足した日のことだった。その日は、20時間ほど撮影をしていたので、二人共
疲労困憊していた。やっとその日の撮影が終了したと思ったら、監督が街の向こうに行き、街の中心部でもっと僕の撮影
をしたいと言うではないか。僕はあまりにも疲れていたので、なんとか別の日にしてほしいと懇願した。最終的には、僕
が折れて、やるけどひどく疲れているのでそういう顔に映るだろうと言いながらも引き受けた。監督は僕の背中をポンポ
ンと叩き、「ありがとう」と言った。その30分後に監督が僕に「行かなくていいよ」と僕に言いに来た。後になって分っ
たことだけど、レスリーが監督に、あまり僕を酷使しないように言ってくれたそうだ。 撮りなおしをするために、僕のアパートのシーンに戻った時のことだ。一番最高のシーンではないかと思うのが僕らの このシーンだ.......この頃にはすっかりレスリーと打ち解けていたので、彼が僕と対決するために顔を近づけてきたとき (このシーンは映画では最終的には使用されなかったが、ペイン医師がジンに挑むシーンだ)、僕は吹き出してしまった 。レスリーはカットになった時に笑顔でしかし不思議そうに「何故君は笑っているの?」と聞いた。僕が思うに、この頃 にはすでによく彼のことが分っていて、お互いに多くの冗談を言い合って来ていて、彼が近づいたら理由もなくおかしく なってしまったのだろう。そして、僕自身がすごく楽しい気持ちだったので吹き出してしまったのだろう。 映画の中でも最悪のシーンはこの後、間もなくやってきた。それはジンが僕の頭に銃をつきつけてハウミングと対決する
雨の中のシーンのことだ。その日は恐ろしく寒くて、その上テイクの度に大量の凍りついたような水を頭に浴びせられた
。部屋には暖房設備がなく、テイクの合間には、寒さとびしょびしょに濡れた冷たい衣装で何時間も我慢して座っていな
くてはならなかった。レスリーのアシスタントはすごく協力的だった.....レスリーは彼女に,下まで染み込まないよう
に僕の衣装の下にラップを巻くように言ってくれた。彼自身もラップをぐるぐると巻いたミイラ状態で、その姿はおかし
かった。 |
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